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データストレージとは:データストレージの種類

October 24, 2022 | min

データ駆動型ビジネスが普及している現在において、信頼できる効率的な方法でデータを保存することは、あらゆる組織にとって重要な優先事項です。ストレージの種類に関しては、ビジネスや予算の規模に対応する幅広い選択肢があります。選択肢が多すぎて、組織のニーズに最適なデータストレージの種類を見極めることは困難かもしれません。

このブログでは、データストレージとは何かについて詳しく説明し、データストレージのソリューションおよびデバイスの主な種類を解説します。

データストレージとは

ビジネスで収集する情報は、どれも重要となる可能性があります。顧客のアカウントと購入履歴のデータベース、全従業員の人事記録、給与や売掛金などの財務情報、製品仕様などの知的財産。どのような情報であっても、どこかに保存して、ビジネスの必要に応じてアクセスできるようにしておく必要があります。

多くのビジネスでは、現在、情報をデジタル化し、コンピュータに保存しています。現代の組織が DX に向けて取り組むなか、紙の書類をファイルフォルダに入れ、ファイルキャビネットを際限なく並べていた時代は、急速に去りつつあります。

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データストレージの重要性

ビジネスデータの量は年々増加しています。データ分析、モノのインターネット(IoT)、AI といった先進テクノロジーは、大量のデータを生成、使用しており、あらゆる組織の成功にとって、データストレージの重要性がこれまでになく高まっています。データストレージソリューションは、この重要な情報の整理、管理、アクセス、共有、利用をいかに容易かつ効率的にするかのカギとなります。

紙ベースの保存システムに比べて速度、信頼性がはるかに高いことに加え、デジタルのデータストレージには、次のような多くのメリットがあります。

  • データの長期保存:デジタルのデータストレージにより、膨大な量のデータを容易に長期間保存できる。

  • 容易なアクセス:ファイルキャビネットで埋め尽くされた部屋に出向かなくても、誰もが自席のコンピュータから必要な情報を直接入手できる。

  • 効率的なデータリカバリ:保存したデータはコピーを作成することで容易にバックアップできるため、ファイルの損失や破損が発生した場合、迅速かつ簡単にリカバリできる。

  • 物理的なフットプリントが小さくスケーリングが容易:時間とともに占有スペースが増える物理的なファイルキャビネットは不要。デジタルの容量は容易に追加できる。

  • セキュリティ強化が可能:秘密性が特に高いデータについては、先進的なセキュリティツールや機能を使用し、情報をセキュアにデジタルで保護する手法が増えている。

  • 容易なコラボレーション:権限を持つユーザーなら誰でも、一元的に保存されたデータにアクセスし、チーム間での共同作業が可能。

  • 効率的な文書管理:データの分類、整理が容易。コンピュータのデスクトップや他の接続されたデバイスから実行できる。

  • 生産性とワークフローの改善:データのデジタル化による保存は、紙を印刷してファイルキャビネットに保管するよりも時間がかからない。

データストレージの仕組み

データをコンピュータに保存すると、デジタル化された情報はデバイス上に記録され、削除するまで維持されます。データストレージは、コンピュータメモリとは大きく異なります。コンピュータの RAM からは情報に迅速にアクセスできますが、そのデータが RAM 内で利用できるのは、コンピュータの電源をオフにするまでの間だけです。それに対してデータストレージは、コンピュータの電源がオン/オフかに関係なくデータを保持します。そのため、データの長期保存が可能です。

データをコンピュータのストレージデバイスに保存することで、必要なときにデータにアクセスできます。例えば、経理部は従業員の勤務時間に関する保存済みデータを取得して、半月ごとの給与計算タスクに使用できます。営業担当者は、営業で訪問する前に顧客に関する情報を引き出し、最近の注文や、前回の訪問で話し合った問題を確認できます。

データストレージの種類

デジタルのデータストレージは、大きく分けて 2 種類あります。直接接続型ストレージと、ネットワークベースのストレージです。いずれの種類もさまざまなデバイスを含むため、まずは一般的な種類について説明し、それから具体的なデータストレージデバイスについて詳しく見ていきます。

直接接続型ストレージ(DAS):メリットとデメリット

DAS は、特定のコンピュータに直接接続されるストレージです。「ダイレクトエリアストレージ」と呼ばれることもあります。コンピュータに取り付けられたハードドライブやソリッドステートドライブのストレージ領域を指すこともあれば、外付けハードドライブ、CD や DVD、USB ドライブ、フラッシュドライブなどの取り外し可能なポータブルストレージメディアを指す場合もあります。

DAS のメリットとしては、高可用性、アクセス性、容易なバックアップ/リカバリ、ネットワークの機器やセットアップが不要といったことが挙げられます。スケーリングも簡単で、より大きな容量のデバイスを準備するだけで済みます。一方のデメリットは、他のユーザーとのデータの共有が困難なことです。共有するには、ストレージドライブそのものを渡さなければなりません。そのため、データにアクセスできるのは 1 度に 1 ユーザーのみです。グループ間での共有は事実上不可能です。その結果、データのサイロ化が起こります。

ネットワークベースのストレージ:NAS、SAN

データストレージのもう 1 つの主な種類は、ネットワークベースのストレージです。簡単に言えば、ネットワークで接続されたコンピュータやその他デバイスのユーザーからアクセス可能な、一元化された情報の保存場所です。そのデータは通常、単一のコンピュータに直接接続されたメディアにではなく、データセンター内のサーバーに保存されます。

ネットワークベースのストレージは、複数のユーザーが離れた場所からデータにアクセスできるようにするために開発されました。この種類のデータストレージは、データの共有やコラボレーションを容易にし、オフサイトに設置できることからバックアップやディザスタリカバリの点でも DAS より優れています。

一般的な構成としては、ネットワーク接続型ストレージ(NAS)とストレージエリアネットワーク(SAN)の 2 つがあります。

NAS

NAS は、冗長ストレージコンテナまたは RAID(複数のハードドライブなど、安価なディスクの冗長アレイ)で構成された単一のコンピュータまたはサーバーです。ユーザーは、ネットワークを介してデータにアクセスできます。通常は安価で、セットアップもデプロイメントも簡単です。

NAS に属するデータストレージは、柔軟性が高く、スケーリングが容易です。容量の増加は、既存のコンピュータにハードドライブを追加するだけで済みます。ただし、NAS は通常単一のマシンであるため、スケーラビリティには限界があります。NAS により、保存データを 1 か所の単一ボリュームに集約できるため、ユーザーは NAS のネットワークに接続できれば、どこからでもデータにアクセスできます。

NAS のメリットは、比較的抵コストであり、本質的に自己完結型であること、容易に管理できることが挙げられます。フォールトトレランス構成の複数ドライブにより、データをいつでも利用でき、耐障害性に優れています。ドライブが 1 台故障しても、残りのシステムは稼働し続けます。

デメリットは、ほとんどが性能とスケーラビリティに関するものです。データにアクセスしようとするユーザーが増えるほど、システムは遅くなります。イーサネットを介して実行されるため、転送中のパケットの損失や順序逆転が発生する可能性があります。これは、全てのパケットが到着し、システム内で正しく再構築されるまでデータが利用できないため、性能低下の原因になります。 このような性能上の課題は、ファイルが小さい場合は通常問題になりません。しかし、動画などの極めて大きなファイルを扱うユーザーは、作業中に大幅な速度低下や中断を経験する可能性があります。

SAN

SAN は、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュストレージ、クラウドストレージなど、複数のデバイスのネットワークで構成されます。通常、NAS よりも高価でセットアップが複雑です。SAN は、イーサネットではなくファイバーチャネルを使用して、サーバーとストレージデバイスをネットワーク接続します。これらのストレージデバイスは、相互接続されたコンポーネントのアレイを構成できます。ユーザーには、SAN ストレージは、使用しているコンピュータやその他デバイスのローカルドライブと同じように見えます。

SAN ストレージのメリットは、NAS よりもはるかに多いユーザー数を前提に設計されていることです。NAS システムよりも高速でレイテンシーが低い傾向にあり、デバイスや構成の選択肢が広く、スケーラビリティに優れています。

デメリットは前述のとおり、NAS に比べると高価でセットアップと管理が困難な点です。

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データストレージデバイス

データストレージデバイスには、多くの選択肢があります。以下に、主なカテゴリを概説します。

クラウドストレージ

クラウドは、スケーラビリティと費用対効果に優れたデータの格納方法として、多くの組織に急速に普及しました。データは、オンプレミスのハードドライブやストレージネットワークではなく、パブリッククラウドのサービスプロバイダが運用、ホストするオフサイトのロケーションや、プライベートクラウドのネットワークに格納されます。プロバイダがインフラ全体をメンテナンスし、ユーザーは料金を支払うだけで、格納されたデータにいつでもどこでもアクセスできます。

ハイブリッドクラウドストレージ

ハイブリッドクラウドストレージとは、ワークロードによって異なるクラウドを使い分けることを指します。例えば、非常に秘密性の高いデータや規制の厳しいデータは、セキュリティを全面的に制御できるプライベートクラウドに格納し、秘密性の低いデータはパブリッククラウドで安価に格納する、といった使い方ができます。そのほか、プライベートクラウドとパブリッククラウドをオンプレミスデータセンターと組み合わせて、それぞれの長所を「いいとこどり」するハイブリッドモデルもあります。

クラウドストレージやハイブリッドクラウドストレージを使用するメリットとして、以下が挙げられます。

  • ほぼ無限にスケーリングが可能

  • 使用した容量のみを支払う従量課金制

  • 必要に応じてワークロードのスケールアップ/スケールバックが可能

  • クラウドバックアップと迅速なリカバリが可能

  • 離れた場所のユーザー間での共有やコラボレーションが容易

デメリットの 1 つは、データにアクセスするにはインターネットに接続されたデバイスが必要であり、ワークロードの頻繁な移動が生じるとコストがすぐに増大することです。

SSD とフラッシュストレージ

コンピュータが普及した当初は、ハードディスクドライブ(HDD)が一般的でした。HDD は、機械式回転ディスクと可動ヘッドを使ってデータの読み取り/書き込みを行っていました。今日のコンピュータが主に使用しているのは、フラッシュメモリチップによって可動部品をなくした SSD です。SSD は HDD よりもはるかに高速で低レイテンシ―です。

SSD とフラッシュストレージのメリットとしては、高速性(HDD の最大 100 倍高速)のほか、可動部品がないゆえの優れた耐久性が挙げられます。また、可動部品がないことにより、HDD よりもエネルギー効率が高く、低温を維持できます。

主なデメリットは、HDD に比べてコストが高いことです。SSD はかなり高価であるため、長期保存用としてはコストのかかる選択肢です。高性能であるため、ティア 1 ストレージや、クリティカルなデータ、ワークロードには最適ですが、アーカイブストレージとしては価格が見合わないかもしれません。技術の進歩と SSD のさらなる普及に伴って、価格は徐々に下がると予想されます。また、SSD には、特に書き込みの回数に上限があり、これを超えると使用できなくなるというデメリットもあります。

バックアップストレージ

いかなる組織も、データの損失、盗難、破損から保護するため、データストレージ戦略にバックアップストレージを含める必要があります。全てのデータを別の特定のデバイスまたはロケーションへの定期的なバックアップが重要です。バックアップは、災害発生時の命綱です。バックアップデバイスとしては、HDD、SSD、オフサイトのサーバーをはじめ、光テープドライブも使用できます。また、サービスとしてのバックアップ(BaaS)の利用や、パブリッククラウドやプライベートクラウドにバックアップを保存することもできます。

実際、「3-2-1 ルール」は、長きにわたりデータバックアップのベストプラクティスとされています。そのルールとは次のとおりです。

  • データのコピーは 3 つ持つ

  • 2 種類以上のメディアを使用する

  • コピーの少なくとも 1 つはオフサイトまたはクラウドに保存する

バックアップ専用のソフトウェアやアプライアンスも便利かもしれませんが、ソリューションや機能によっては高価になる可能性があります。

Nutanix のデータストレージソリューション

Nutanix は、ガートナーの 2021 年「分散ファイルシステム/オブジェクトストレージ部門のマジック・クアドラント」において、ビジョナリーの 1 社に位置付けられています。Nutanix のデータストレージソリューションには次のものがあります。

  • Nutanix Files:高速、シンプル、スケーラブルなスケールアウト型分散ファイルストレージソリューション。

  • Nutanix Objects:ビッグデータ、クラウドネイティブアプリケーション、ディープアーカイブに最適な、セキュアなスケールアウト型クラウドオブジェクトストレージソリューション。

  • Nutanix ユニファイドストレージ(NUS):サイロをなくし、データの場所を問わず、シンプルな管理/制御を可能にする、ソフトウェアベースの統合ストレージソリューション。

NUS および Nutanix のデータサービスは全て、Nutanix のハイパーコンバージドインフラ(HCI)とシームレスに統合され、単一で扱いやすいアーキテクチャを実現します。

Nutanix は、進化するストレージニーズに対応すべく、データストレージソリューションを継続的にアップグレードおよび強化し、お客さまを支援しています。最近では、ランサムウェア検知、ディザスタリカバリ、ファイル分析、同期の機能を強化しました。

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