Nutanix と VMware の歴史
Nutanix と VMware は、 ハイパーコンバージドインフラ(HCI)と仮想化の分野において最も定評のある 2 大ブランドです。Nutanix は、汎用サーバーを使用してビジネスクリティカルなワークロード、クラウドネイティブや AI アプリケーションを実行する Web スケールの分散型クラウドアーキテクチャによって IT の設計と運用を近代化し、HCI 市場を開拓しました。
VMware(現 Broadcom 傘下)は、仮想化技術により 1 つの物理サーバー上で複数のワークロードの実行を可能にする vSphere 製品を発表し、その普及によって IT の世界に大きな変革をもたらしました。Nutanix HCI は、VMware のハードウェア互換性リスト(HCL)に掲載されています。VMware vSphere ユーザーは、VMware vSphere の ESXi® ハイパーバイザを使用して、簡単な管理で仮想化プラットフォームを利用できます。Nutanix では、ESXi に代わるハイパーバイザをお探しのお客さまに、Nutanixクラウドインフラストラクチャー(NCI)ソリューションの一部として、Nutanix AHV® ハイパーバイザを追加費用なしで提供しています。
長年にわたり、世界中で数千ものエンタープライズ IT チームが Nutanix と VMware の両方の製品を併せて利用してきました。現在も、Nutanix と VMware は、HCI、仮想化、IT 自動化、ハイブリッド・マルチクラウド管理、ソフトウェア定義ファイルストレージ、ネットワークベースのマイクロセグメンテーションなどの主要市場において競合であり続けています。
パブリックとハイブリッド・マルチクラウドが主要な IT 戦略となりつつあるなか、Broadcom が VMware を買収したことで、市場には不確実性が生じています。このような不安定さにより、企業が VMware から離れ、将来に対応するアーキテクチャを提供し、安定したオペレーションとクラウドやエッジへの容易な拡張を実現する Nutanix クラウドプラットフォーム(NCP)に移行する傾向が高まっています。
Nutanix は VMware ユーザーのニーズにどのように対応できるか?
ビジネスの要件によって技術アーキテクチャが大きく異なることがありますが、Nutanix と VMware 両社ではさまざまなニーズに対応するためのソリューションを提供しています。Nutanix と VMware のソリューションの違いを探ることにより、Nutanix HCI が VMware vSphere を実行するお客さまのニーズをどの程度満たすことができるか、また、Nutanix クラウドプラットフォーム(NCP) が、将来の状況の変化に合わせてエッジからデータセンター、クラウドまで、ビジネスクリティカルなアプリケーションとデータベースをサポートするためにどのように対応できるのかを理解できます。
VMware:仮想化に特化して設計されたアーキテクチャ
VMware は、以下のようなユースケースに有効とされる仮想化製品のマーケティングに注力してきました。
- VMware vSphere/VMware ハイパーバイザ ESXi で認定された仮想化ワークロードを実行する。
- VMware Cloud を使用し、 VMware 仮想化ワークロードをさまざまなパブリッククラウドへ移行する。
一方で、Nutanix はユーザーにはるかに多くの機能を提供しています。
Nutanix:現在と将来のニーズに対応可能なアーキテクチャ
Nutanix は当初より、柔軟性という基本理念に基づいています。Nutanix は、複数のハードウェア構成、複数の仮想化ハイパーバイザ、複数のクラウドに対応しています。例えば、 Nutanix HCI ソフトウェア は、業界をリードする ハイパーバイザの VMware ESXi、Microsoft Hyper-V®、Nutanix AHV ハイパーバイザとシームレスに統合します。Nutanix AHV の利用は、追加コスト不要です。
Nutanix のお客さまの多くは、Nutanix のプラットフォームで ESXi を使用しており、Microsoft Windows Server Hyper-V を選択するお客さまも多くいらっしゃいます。現在、お客さまは Nutanix AHV に移行することで、仮想化ライセンスのコストを削減し、ハイパーバイザ間で単一の統合画面インターフェースを介して管理を効率化し、ビジネスクリティカルなワークロードを実行しています。また、Nutanix では、Nutanix AHV を採用する組織に移行ツールを無料で提供し、トレーニングとサポートを提供することで、お客さまの移行を支援しています。
Nutanix は、コスト削減やテクノロジーがもたらすその他の利点と同様に、お客さまのアーキテクチャ、市場の状況、さまざまなソリューションに対する技術的ニーズの変化に柔軟に適応するソリューションを提供しています。Nutanix は次のようなキーコンセプトを具体化します。
- マルチベンダーソリューション戦略を活用することで、コストを削減し、リスクを軽減するデュアルハイパーバイザの管理を促進する。
- ユーザー中心のセルフサービスオプションの導入と、ServiceNow のようなパートナーとの統合を実現する。
全体として、Nutanix は以下の方法で、従来の仮想化ソリューションの枠を超えてハイブリッド・マルチクラウドの価値を拡大します。
- 単一の仮想化プラットフォームのリスクを軽減するためのマルチベンダー戦略を実現する。
- パブリッククラウドとプライベートクラウドをまたがって、ビジネスクリティカルやクラウドネイティブおよび AI といったワークロードを拡張する。
- 「一元的な」管理で複数のハイパーバイザを同時に実行する。
- ソリューションに最適なハードウェアやクラウドプロバイダを選択する自由を確保する。
- ソフトウェア定義ストレージを採用した Web スケール設計により、総所有コストの大幅な削減を実現する。
- オンプレミス、エッジ、パブリッククラウド(Amazon の AWS や Microsoft の Azure など)との間で、Nutanix NCI ライセンスのポータビリティを実現する。
Nutanix のソリューションは、一般的なクラウドや SaaS サービスをモデルに構築されており、Nutanix の製品は、初期導入から本番環境の拡張、トラブルシューティングに至るまで、ライフサイクル全体を通じてシンプルさと使いやすさに定評があります。Nutanix の包括的なプラットフォームアーキテクチャは、オンプレミスからエッジ、クラウドまでのワークロードのスケーリングに対応し、コスト効率を最優先に設計されています。
Nutanix と VMware:HCI ソリューションの比較
以下の表では Nutanix と VMware の HCI アーキテクチャを比較しています。
HCI
|
Nutanix
|
VMware
|
---|---|---|
サポート対象のハイパーバイザ | VMware ESXi、 Nutanix AHV、Microsoft Hyper-V |
VMware ESXiのみ |
ハイパーバイザ用ライセンスの追加 | 追加コストなしで AHV 仮想化を提供 | 仮想化ライセンスは CPU ごとに別売り |
アーキテクチャの設計 | HCI を使用した最新の Web スケール型アーキテクチャ | レガシーストレージ技術をソフトウェア定義ソリューションに改良 |
ネイティブファイルストレージサービス | あり(Nutanix Files Storage™ を介して) | あり(San File Service を介して) |
ネイティブなオブジェクトストレージサービス | あり(Nutanix Objects Storage™ を介して) | なし(第三者製品が必要) |
自動化データベース管理、プロビジョニング、セキュリティ | あり(Nutanix Database Service™ を介して) | VMware データサービスマネージャー |
ワークロードベースのリソース異常のための自動機械学習(AutoML) | あり | なし |
データロカリティによる低レイテンシのアプリケーションパフォーマンス | あり | あり(ただし制限あり) |
変化する環境に適応するマルチベンダー戦略の策定
企業は、ベンダー業界における変化に迅速に適応できなければなりません。例えば、合併や買収によりリスクが生じる可能性もあります。製品の合理化や価格の改定によって業務の中断や不確実性が発生したり、不適切なタイミングでの変化を余儀なくされたり、コストが上昇したりする場合があります。
マルチベンダー戦略を決定する際の考慮事項は次のとおりです。
- マルチベンダーソリューションを実行するためのプラットフォームの柔軟性
- 完全なライセンスポータビリティ(クラウドとオンプレミス間)と選択肢
- ダダウンタイムを短縮するためのサポートの品質と範囲
- 間接費の変更によるコストの変化がないこと
Nutanix は、過去 7 年間のネットプロモータースコア(NPS)で平均 90 を超えるスコアを獲得しており、顧客ロイヤルティ、顧客推奨度、リピートビジネスに関して、一貫して競合他社を上回っています。
Broadcom の VMware に買収によって不確実性が高まるなか、Nutanix はお客さまの懸念に対して確実性と透明性を提供し、顧客ニーズに応えます。VMware の仮想化製品がなくなる未来を想像するのは困難ですが、Nutanix では 、VMware の代替製品を検討しているお客さまに、新しいソリューションへの移行に関連する問題や混乱を回避するための支援を行う準備が整っています。
思いどおりのワークロードを実行
未来を見据えた Nutanix のアーキテクチャは、効率性、リカバリ性、コストパフォーマンスに優れた方法でアプリケーションとワークロードを実行するマルチベンダー戦略を実現し、リスクを低減します。アプリケーションとワークロードが当初の範囲を超えてネットワークエッジ、エンドユーザーデバイス、パブリッククラウドへと拡大しつつあるなか、任意のクラウドで、柔軟に、安全に、自らの管理の下でそれらを実行できます。
ビジネスクリティカルなアプリケーション、クラウドネイティブなアプリケーション、AI アプリケーション、データレイク、非構造化データは、IT のモダンワークロードの特徴を示しており、クラウドライクな特性を備えています。Nutanix HCI は、モダン Web スケーリングと同じ原則に基づいて設計されています。Web スケールの能力をシームレスに統合し、複数のサーバー、データセンター、クラウド環境にまたがるワークロードを適切に処理します。この概念は、Nutanix に「選択肢の提供」という他にはない特性をもたらしました。
Nutanix が提供する柔軟性には次のようなものがあります。
- 既製のハードウェアを自由に選択する柔軟性。
- インテリジェントな拡張性を持ったネットワークの作成。
- 柔軟性のないアーキテクチャに閉じ込められることなく、必要な場所でワークロードを実行する。
- ビジネスに焦点を合わせたデータ中心の設計を立ち上げる。
- CAPEX か OPEX かを問わず、予算に対して合理的なライセンスモデルを決定する。
- 最適に機能するようパブリッククラウド同士を連携させ、動的ワークロードとデータを実行し、プライベートクラウド内に自らの管理下で静的ワークロードを維持する。
Nutanix と VMware:ハイブリッドクラウドソリューションの比較
以下の表では、Nutanix と VMware のいくつかのハイブリッドクラウド機能を簡単に比較しています。
ハイブリッドクラウド
|
Nutanix
|
VMware
|
---|---|---|
デリバリーモデル | お客さまによる柔軟な管理 | VMware のマネージドサービスとしてのみ利用可能 |
サポート対象のパブリッククラウド | AWS と Azure | AWS、Azure、Google Cloud |
パブリッククラウドとの統合 | ネイティブ統合 |
ネットワーク統合用に専用ゲートウェイが必要 |
パブリックおよびプライベートクラウド間の Nutanix ライセンスポータビリティ | AWS と Azure がサポート | 限定的サポート |
VM ハイバネーションによるコスト削減 | サポート対象 |
利用不可 |
Nutanix では、プラットフォームを柔軟に選択できます。選択の自由は、本物のハイブリッド・マルチクラウドの根幹であり、未来に対応し、リスクを低減し、ビジネスニーズに最適な方法で作業することを可能にします。
Nutanix, Inc.は、VMware by Broadcom または Broadcom と提携していません。