国内初、NVIDIA Omniverse Enterprise 向け
「VDIクラウド」 を Nutanix Cloud Platformで実現
導入によるビジネスのメリット
- 設備投資と運用・構築にかかる労力の削減による生産性向上
- 必要なリソースに応じた従量課金制でのVDIクラウドのサービス提供
- 場所に依存せず安全な3Dデザインコラボレーション環境の実現
サービスクリエーション本部 第二サービスクリエーション部
サービスクリエーション担当 担当課長
奥野 聡 氏
サービスクリエーション本部 システム&サービスインテグレーション部
システム&サービスインテグレーション担当 主査
力石 誠也 氏
取り組み
1985年の設立以降、ISP事業を中心とした各種ネットワークサービスを展開、2022年からは新生NTTドコモグループの一員としてNTTグループにおける国内中小企業向けICTサービスのエキスパートとして事業を展開している株式会社NTTPCコミュニケーションズ。ネットワーク環境の構築を支援するネットワーク事業をはじめ、ホスティングやクラウドサービスを中心としたデータセンター事業、セキュリティ機器や通信機器の提供や保守サービスなども手掛けています。従来はITインフラを中心としたサービス基盤を提供してきましたが、昨今では VDIをはじめ上位のサービスレイヤーを含めてサービス提供することを目指しています。
近年さまざまなサービス事業者が大量のデータ処理に適したGPUプラットフォームを提供しつつありますが、同社においても、新たに NVIDIA社が提供するGPUを生かしたプラットフォームづくりを推進してきました。そのような中で、新たに3Dデザインコラボレーションと物理的に正確なリアルタイムシミュレーションを実現する3D開発プラットフォーム「NVIDIA Omniverse Enterprise」の実行環境をクラウドで提供する「VDIクラウド」を日本で初めてサービス化しました。デジタルツインなどの用途にも活用できるGPUプラットフォームづくりに向けて、新たなサービス基盤づくりが求められたのです。
ソリューション
3Dデザインコラボレーションとデジタルツインの開発基盤には、Omniverse Enterpriseを提供するためのGPUとしてNVIDIA A40を搭載できるプラットフォームと、マルチテナントでサービス提供するため万一の場合も短時間で復旧できる環境が必要でした。そこで目をつけたのが、3層構成に比べてスケーラビリティ面で多くのメリットが得られるハイパーコンバージドインフラストラクチャー (HCI)でした。
VDIクラウドは、物理GPUを仮想化したvGPUとCitrix Virtual Apps and Desktopsを採用した、マルチテナントで快適なVDI環境を提供するサービスです。その基盤には、VDIとして確立された技術を持つCitrixとの相性が高いNutanix Cloud Platform を採用し、ハイパーバイザーにはAHVを選択しました。「今回は新たなサービスモデルとなるため、最初から初期投資が大きな3層構成よりも、スモールスタートで柔軟に拡張していけるHCIが最適だと考えたのです」と、NTTPCコミュニケーションズサービスクリエーション本部 第二サービスクリエーション部 サービスクリエーション担当 担当課長の奥野聡氏は説明します。
また、AWSをはじめとしたパブリッククラウドなど外部のリソースを活用しながら機能がアドオンできる柔軟性をはじめ、複雑な仮想環境をシンプルに管理できる点が重要になります。NTTPCコミュニケーションズ サービスクリエーション本部 システム&サービスインテグレーション部 システム&サービスインテグレーション担当 主査の力石誠也氏は「設備を維持するという観点から、いつまで物を持ち続けるのかという議論は当然出てきます。その意味では、パブリッククラウドとの柔軟な連携が可能だという可用性について高く評価しました。今後もVMの増加に応じてストレージ機能なども拡張していくことになるはずです。先駆者として革新に耐えられないソリューションもあるなか、先進性という視点からもNutanixに期待したのです」と語ります。
導入効果
VDI環境を基本サービスとしてサブスクリプション提供し、3Dデザイン制作をはじめ、気象データなどのリアルタイムシミュレーションやデジタルツインなどのプラットフォームとなるOmniverse Enterpriseの実行環境を、VDIを経由したオプションで利用できます。さらに、業務に必要なCADソフトなどのアプリケーションをお客さまごとにインストールしてご利用いただくことも想定しています。「リリース前から Innovation LAB上でテストできる環境を用意し、建築業や製造業などのお客さまに触ってもらっていますが、オープンβ版として提供されているOmniverse Enterpriseも含めて、反響は上々です」と奥野氏は述べています。
新たなサービス基盤をNutanix Cloud Platformにて構築したことで、複雑なストレージ設定などの拡張作業の負担が大幅に軽減されます。また、アップデートを手間なく簡単に実行でき、高い効率で運用コストの低減につながります。「リリース後のアップデートでは、通常、お客様との調整が必要ですが、Nutanixでは非常にシンプルに行えるので、そうした手間を減らすことができます。これにより、お客様の負担も大きく軽減されます」と力石氏は評価します。
「VDIクラウドでは、Nutanix AHVという新たなハイパーバイザーの選択肢を手に入れましたが、さらにプラットフォームの選択肢が得られることもNutanix ならではの効果です。Omniverse Enterpriseでは、GPUを何枚搭載できるのかが重要です。今後、より多くのGPUが乗せられる新たなプラットフォームが出てきた際に選択しやすいのは、ソフトウェアとして提供されるNutanixならではです」と力石氏は述べています。
今後の展開
新たなサービス展開を始めたばかりのため、当初はスモールスタートで基盤が整備されましたが、すでに新たなノード増設が検討されており、顧客の利用状況に応じてさらなる拡張が計画されています。「お客さまからの反響もあり、すでに設備の増設が求められています。特定プラットフォームに依存しないため、我々に最適な拡張方法について相談しながら、ビジネスを広げていきたいと考えています」と奥野氏は語ります。
力石氏は、「パブリックおよびプライベートクラウド双方のハイブリッド環境という点で、Nutanix Cloud Clusters (NC2) に興味を持っています。ローカルな環境が障害で落ちてしまったときにパブリック側にVMを瞬時に立ち上げていったり、I/Oの遅延が気にならないアプリケーションであればパブリックにマイグレーションしたりといった使い方はぜひ試してみたいです」と今後について語ってくださりました。