業界
メディア業界
課題
- 3層構成における運用負荷
- 基幹系システムの可用性の確保と拡張性の不足
- 複雑化する設計と作業の増加
- バックアップ作業にかかる運用負荷
- 調達にかかるリードタイムの長さ
ソリューション
- Nutanix Cloud Platform
- Nutanix AOS
- Nutanix Prism
アプリケーション
- 新聞制作システム群
- 出稿システム
- 組版システム
- 紙面伝送システム など
- 基幹業務システム群
- 人事系
- 総務系
- 経理系 など
導入によるメリット
- 新聞制作・基幹業務システムの安定運用
- バックアップ作業の効率化
- 管理作業の半自動化による運用負荷の軽減
- 新たなリソース需要に対応できる拡張性
「特定のクラウドやハードウェアにロックインしない Nutanix の『オープン性』は、自由度の高いインフラの設計を目指す当社の考え方とも合致しています」
- 日本経済新聞社 情報技術本部 部長 一木宏行氏
「Nutanixは APIが充実しており、自動化しやすい点がメリットだと感じています。リソースの払い出しなどの作業負荷も減りました」
- 日本経済新聞社 情報技術本部 部次長 世良匡晃氏
会社概要
課題
日経は、記者が原稿提出用に使用する出稿システム、記事のレイアウトを編集する組版システム、印刷所へ紙面データを送付する紙面伝送システムなどの新聞制作を担うシステム群に加え、人事・総務・経理系の基幹業務システムが含まれる基幹系システム「NEO」を自社データセンターで構築したプライベートクラウドに集約して運用していました。しかし、運用管理や拡張性は満足のいくものではありませんでした。
情報技術本部 部長の一木宏行氏は「当初はサーバ、ストレージ、ネットワークを別々に構築する 3層構成だったため、拡張する度にサーバとストレージのそれぞれで設計や作業が必要となり、手間やコストが膨らんでいました。手作業によるバックアップ作業やリソースの調達は時間を要することもあり、理想的なシステム環境や運用管理とはいえませんでした」と振り返ります。
ソリューション
「NEO」の刷新にあたり、柔軟性と拡張性に優れたハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)の導入を検討しました。選定においては、仮想デスクトップ(VDI)用インフラとしての導入実績とNutanix Prismによる運用性を評価し、 Nutanixを「NEO」の仮想基盤として採用することを決定しました。「まずは自社データセンターの資産を有効活用することを念頭に置きました。アプリケーションレイヤーは変更せずに、インフラレイヤーを刷新しスムーズに切り替えることを重視しました。長期にわたりソフトウェアを変更することなく、必要に応じて迅速にリソースの拡張ができる Nutanixは魅力的でした」と一木氏は話します。
Nutanixを基盤とした「NEO+」は、最小ノードのWindows系クラスタおよびLinux系クラスタで2019年に稼働を開始しました。コストの無駄が生じないよう、Nutanixのメリットを活かして徐々にノード数を増やし、2021年2月より正式稼働しています。
安定運用のため、Nutanixのレプリケーション ファクタ機能を活用し、データの冗長性と可用性を確保しています。事業継続計画(BCP)対策として、東日本と西日本のデータセンターを専用線で接続し、バックアップソフトウェアによってほぼリアルタイムのデータ同期をはかっています。
導入効果
情報技術本部 部次長 世良氏は、「NEO+」へ移行後「以前は数週間かかっていた手作業によるバックアップ作業がスナップショット機能により数日で行えるようになりました」と語ります。
また、仮想マシンの払い出しなどの管理作業を半自動化できたことで、管理負荷が軽減しました。世良氏は「NutanixはAPIが充実しており、自動化しやすい点がメリットだと感じています。リソースの払い出しなどの作業負荷も減りました」と述べています。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大による在宅勤務の増加に伴って、新たなリソースが必要になった際、わずかな設定作業のみで迅速にノードの拡張ができた点を評価しています。
今後の展開
日経はプライベートクラウド、パブリッククラウドにかかわらず、必要に応じて製品やサービスを使い分け、特定の技術や環境にロックインされないインフラの設計と運用を目指しています。
「特定のクラウドやハードウェアにロックインしないNutanixの『オープン性』は、自由度の高いインフラの設計を目指す当社の考え方と合致しています。Nutanix製品の活用により、スピード感を持って設計や構築を内製化できるノウハウや技術の蓄積を期待しています」と一木氏は今後について語ってくださいました。