業界
化学業界
課題
- 多数のセンサーやIoT機器から生じるデータの通信量の大幅な増大
- エッジでのデータ処理の増大と遅延、ネットワーク中断
- 各拠点ごとの個別基盤の非効率な運用の回避
- 全ての情報を1つのデータセンターに纏めておくことのリスク
ソリューション
Nutanix Cloud Platform
- Nutanix AOS
- Nutanix AHV
- Nutanix Files
- Nutanix Prism Pro
- Nutanix Flow
- Nutanix Calm
- Nutanix Karbon
Nutanix テクニカル・アカウント・ マネージャー(TAM) サービス
アプリケーション
- センサーやIoTデータの前処理システム
- 拠点ファイルサーバー
- 業務系システム
- バックアップサーバー
「各工場毎にNutanix Cloud Platformを導入することで、各種センサーやIoT機器の高度化に伴うデータ量増加や ネットワーク負荷増加へ対処でき、DX推進に必要な計算、分析、集約などの情報の前処理が拠点内で可能になり ました」
– 三井化学株式会社 情報システム統括部 基盤グループ 業務基盤チームリーダー 黒田 雅人 氏
導入によるビジネスのメリット
- エッジコンピューティングを採用した次世代工場DX基盤による高度な生産体制の確立
- 各製造拠点の多数のセンサーデータの収集とデータのリアルタイム分析による動的な増産対応とラインオペレーションの最適化
- 災害など非常時に通信遮断が起きた場合のBCP向上
課題
三井化学株式会社は、1997年に設立されて以来、日本国内の化学業界をリードする企業で、世界各国に150を超えるグループ会社があります。 グループ長期経営方針「VISION 2030」 の達成に導く重要な戦略として、不確実性が増す環境下において、社会課題解決に向けた貢献と持続的成長を実現するため「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」を全社的に 展開し、ビジネスモデルと業務プロセスの高度化を目指しています。
三井化学では、2015年にクラウドファースト方針を掲げ、ERPを中心に業務システムをクラウドに移行し、500台を超えるインスタンスを稼働しています。 クラウドにデータを集約する中、同社では、政府の内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が推進する「重要インフラの情報セキュリティ対策に係る第4次行動計画」で示唆される国内データ保管の必要性が課題となりました。
三井化学株式会社 情報システム統括部 基盤グループ 業務基盤チームリーダーの黒田雅人氏は「工場内でサーバやデータを管理していますが、デジタルセンサーの増加に伴い、工場外へのデータ共有機会の増加やデータの集約の必要性が高まってきました。さらに、 昨今の異常気象による集中豪雨が原因で、一部の工場で浸水事故が発生しインフラに影響がでた経験を踏まえ、データに対するBCP 対策が急務となりました」と語ります。
ソリューション
DXを推進するため、エッジやfogコンピューティングなど各所にデータ処理設置の必要性が高まり、パブリッククラウドだけでは低遅延 やエッジで増大するデータ処理、ネットワークの中断に対応できませんでした。さらに、クラウドファーストの方針を継続しつつ、データを二重に持つことでデータの完全性を高め、データに対するBCP対策を強化するという課題を乗り越えるべく、三井化学が選択したのは、 Nutanix Cloud Platformでした。
黒田氏は「BCPの観点から、共通設計された耐障害性の高いファイルサーバーを工場毎に配備し、大容量データを格納できるエッジ コンピューティング基盤が必要になりました。それには、全社統一アーキテクチャで導入し展開できるハイパーコンバージドインフラ ストラクチャ(HCI)が適切と考えました」と説明します。
国内の主要5工場および袖ヶ浦研究センターに前処理用システムとNutanix Filesによるファイルサーバーを分散配備し、データセンターに設置した本社および支店用のNutanix Cloud Platformにバックアップデータをレプリケーションしています「。ソリューション選定では、拡張性や可用性はもちろん、大容量データの圧縮や重複除外の効率、AWSやAzureへのデータの延伸、クラウド階層化を可能にするオブジェクトストレージ機能などを重視しましたが、それらを総合的に評価した結果、Nutanixを採用しました」と黒田氏は振り返ります。
導入効果
今回の次世代工場DX基盤では、DX基盤整備とBCP対策が両立でき、従来の中央集約型のIT基盤を改めて、各拠点分散型の基盤整備の実現に成功しました。黒田氏は「各工場毎にNutanix Cloud Platformを導入することで、各種センサーやIoT機器の高度化に伴うデータ量増加やネットワーク負荷増加へ対処でき、DX推進に必要な計算、分析、集約などの情報の前処理が拠点内で可能になりました。 さらに、各拠点で処理済みのデータを安全にクラウドにて最終処理できるようになります」と語ります。
「災害が激甚化する中、自助努力による強靭なネットワーク確保が困難です。これまではネットワーク障害が発生するとファイルサーバやSharePoint上の図面やマニュアルにアクセスできない課題がありましたが、Nutanix Filesを拠点毎に分散配置したことで、拠点間 ネットワーク障害発生時もそうしたデータにアクセスできるようになりました」と黒田氏は評価します。
今後の展開
WAN構成を見直した後は、Nutanix Objectsを活用して各拠点から直接データ送信し、クラウド側でのデータ処理も可能にすると共に、 Nutanix Karbonを活用したデータパイプラインやアプリ配信の簡素化を進めています。
「今後、ファクトリー・オートメーション(FA)やラボラトリー・オートメーション(LA)の利用が加速すると、数多のセンサーやデバイスが同時にリアルタイム通信できる新たな基盤が必要となります。こうした新しいワークロードのためのエッジコンピューティング環境をセンターに据えた次世代工場DXインフラを強化し、本社・支店業務や研究開発におけるワークスタイル変革やクラウド上での機械学習の実現 など、Nutanix Cloud Platformが実現するハイブリッドマルチクラウド環境を活かしてDXアーキテクチャーを進化させてゆきます」と 黒田氏は語ってくださいました。