業界
リース&ファイナンス
課題
- 経営統合に伴う新たなデスクトップや基幹システム環境への迅速な対応
- 自然災害やパンデミックに対するBCP対策
- 働き方改革や柔軟性と拡張性が必要な事業要求への対応
- 従来のアーキテクチャにおける性能と拡張性の限界
ソリューション
Nutanix Cloud Platform
- Nutanix AOS (*1)
- Nutanix Prism (*2)
アプリケーション
- リース、割賦、融資等のフロント業務アプリケーション
- 入出金、会計などの基幹システム
- Citrix Virtual Apps によるアプリケーション仮想化Citrix Virtual Apps によるアプリケーション仮想化
- 約3,000名規模のWindows 10仮想デスクトップ
導入によるビジネスのメリット
- ビジネスの変化へのスピード感を持った対応
- BCP対策や基幹システムのモダナイゼーション
- 運用に関わる工数の大幅な削減
- 専門知識を持たない SE が運用保守できる容易性
- ITチームの多くの時間がビジネスに不可欠な問題解決にシフト
「従来のインフラストラクチャには細心の注意を払った設計が必要ですが、 Nutanix Cloud Platformを使用すると柔軟に拡張できます。 以前よりもはるかに簡単かつ高速にスケーリングできることは、大きなメリットです。その結果、リモートワークやビジネス統合の基礎を築くなど、より多くの検討が必要なビジネスクリティカルなアイテムにより多くの時間を費やすことができました」
三菱HCキャピタル株式会社 IT統括部 北野 慎一郎 氏
課題
三菱UFJリースと日立キャピタルの経営統合によって2021年4月に誕生した三菱HCキャピタルは、両社の経験や知見を生かし、世界各地でリース会社の枠を超えた先進的なアセットビジネスを展開しています。 三菱HCキャピタルグループは、 「社会資本/ライフ」「環境・エネルギー」「モビリティ」「販売金融」「グローバルアセット」を注力領域としています。
「経営統合に伴い、旧三菱UFJリースと旧日立キャピタル双方の PC 環境を活用する業務が増加したことやコロナ禍における在宅勤務に合わせたシステム環境の整備が急務でした。 そこで、以前からVDI環境を整備していた旧三菱UFJリースのデスクトップ環境を拡張する必要がありました」 とIT統括部 IT企画推進グループ 北野慎一郎氏は説明します。
ソリューション
旧三菱UFJリースでは、東日本大震災の経験から大規模自然災害やパンデミックに対する事業継続計画(BCP)の一環として、社外でも社内と同様の業務が可能なクライアント環境が重要となると考えていました。 Windows 10 への移行に合わせた仮想デスクトップ環境への移行と基幹システムの刷新のタイミングで、拡張性と運用性に優れた Nutanix Cloud Platform を選定しました。
「3層構成でプライベートクラウド環境を整備していましたが、性能および拡張性の面で限界を感じていました。Nutanix は、第三者機関のレポートでも他社より高い評価を得ていた点を評価しました。 Nutanix AHV (*3) によってコスト削減につなげることが可能な将来性にも期待しています」 と北野氏は語ります。
現在 Nutanix は、コーポレートファイナンス事業のフロント業務やバックオフィス業務を支える基幹システムと、およそ3,000ユーザがオフィス業務やリモートワークで利用する Office 365、Microsoft Teams などの各種アプリケーションが稼働する Windows 10 の仮想デスクトップ環境として稼働しています。
導入効果
新型コロナウイルス感染症の影響による出社制限に伴い、社員がテレワークせざる得ない状況になりました。その結果、 VDI 環境の同時利用者数が増加し、負荷が高まったことで、同環境を拡張する必要が生じました。しかし、旧三菱UFJリースでは、すでに Nutanix を導入していたため、迅速かつ柔軟な拡張に成功しました。この実績を踏まえ、合併後に急遽必要となったVDI環境の拡張の際にも Nutanix を活用することを決断しました。
「 Nutanix による拡張性の高いプライベートクラウド基盤を構築したことで、運用に関わる時間が大きく削減でき、特殊なスキルを持たなくても、十分に保守対応が可能になりました。3層構成ではサーバやストレージなど個別にファームウェアのアップデートをする必要がありましたが、今は Nutanix AOS を定期的にバージョンアップするだけで済み、運用面でのメリットが大きいです」 と北野氏は評価します。
「3層構成では需要予測したうえで性能を加味して再設計していくプロセスに時間を要していましたが、Nutanixはシステムを追加するだけで容易にスケールアウトできます。コミュニケーションツールの強化を含む在宅勤務への対応など、基盤以外の検討により多くの時間を費やすことができました。今後の環境変化に備える意味でも負担なく拡張していける環境が整備できました」と北野氏は説明します。
北野氏は、「アプリケーションエンジニアだったため、インフラ管理について詳しくありませんでしたが、 Nutanix Prism の画面を見るだけで直感的に状況が把握できています」と評価します。また、運用を行っているメンバーからは、日常的な運用作業の一環として拡張作業が可能なため、既存環境に与える影響を極小化できていると評価の声が寄せられています。
今後の展開
現状は基盤システムと VDI 環境に Nutanix Cloud Platform によるプライベートクラウド基盤を利用していますが、現在も第二世代と位置付けている3層構成のプライベートクラウド基盤が残されています。
今後は、DX推進に向けて、パブリッククラウドも含めたハイブリッドクラウド基盤の整備を進めていく計画です。北野氏は 「ハイブリッドな環境になれば、パブリックとプライベートを行き来するため、 Nutanix AHV で統合管理しながら、 Nutanix Flow によるマイクロセグメンテーションなども検討したいと思います。また、一部海外の子会社で Microsoft Azure の IaaS を採用しているため、 Nutanix Clusters on Azure にも期待しています」と今後について語ってくださいました。
*1 Nutanix Cloud Platformの基盤となるソフトウェア分散ストレージプラットフォーム
*2 直感的な1-クリック操作を実現するNutanix Cloud Platformの管理コンソール
*3 Nutanixが提供する無償の仮想化ハイパーバイザー