業界
エネルギー業界
課題
- 大規模な組織ならではの階層的な意思決定プロセス
- 出張や会議出席に伴う移動時間などの非効率業務
- 意思決定や業務のスピード化と生産性向上
- 働き方改革とリモートワークの全社推進
ソリューション
Nutanix クラウドインフラストラクチャ (NCI)
- AOS Storage
- AHV Hypervisor
Nutanixユニファイドストレージ(NUS)
- File Storage
Nutanixコンサルティングサービス
NVIDIA M10 GPU
NVIDIA vGPU (仮想GPU)
アプリケーション
- Citrix Virtual Apps and Desktops
- Microsoft 365
- Microsoft Teams
- Box
- ThinBridgeブラウザリダイレクト
導入によるビジネスのメリット
- シンプルな機器構成で最大34,000ユーザー規模の高性能VDI基盤を構築
- 優れたVDI性能によりユーザーに快適な利用体験を提供
- デジタルワークスタイルの革新と推進による全社的なコミュニケーションと生産性を向上
- 新しいビジネス価値創出のための基盤の容易な整備
- 従来最大20分かかっていた仮想マシンの複製時間が数秒に短縮
オフィス、外出先、自宅のどこにいても円滑にコミュニケーション/コラボレーションできる環境が整えられました。ユーザーの利便性とともに、生産性も着実に向上できている実感があります。高性能なVDI環境によって、今までできなかった柔軟な働き方が可能になり、不可能が可能になったことが最も大きな成果だと思っています
課題
関西電力グループは、エネルギー、送配電、情報通信、生活・ビジネスソリューションを中核事業に据え、さまざまな社会インフラ・サービスを提供しながら各事業のイノベーションとデジタル化を推進しています。同社は、デジタルトランスフォーメーションへ大きな一歩を踏み出し、関西電力グループの株式会社オプテージと共に、関西電力および関西電力送配電の従業員、最大34,000ユーザーが利用できる、世界屈指の大規模VDI環境を運用開始しました。関西電力IT戦略室の川合昭徳氏は次のように話します。
「IT戦略室では、デジタルテクノロジーをフルに活用できる環境を整備して、個人の生産性を高め、部門間のコミュニケーションをスムーズにし、全社レベルでビジネスの競争力を高めることを目指しています。そのために『デジタルワークスタイル』の実現をはじめとする重点テーマを設定し、DXへの取り組みを支えるIT環境の整備を推進しています」。
川合氏らが最初に着目したのは、大規模な組織ならではの階層的な意思決定プロセスや、出張や会議出席に伴う移動時間などの非効率業務でした。「様々な非効率を解消し、業務のスピードを高めることが生産性向上に直結すると考えました。そのために、情報伝達や情報共有の仕組みを見直し、時間や場所に制約されず業務を進めたり会議に参加できる仕組みづくりに着手しました」と川合氏は振り返ります。
株式会社オプテージ
ソリューション事業推進本部
ICTソリューション部門
電力IT基盤部 電力IT基盤第1チーム
安藤 一樹 氏
株式会社オプテージ
ソリューション事業推進本部
ICTソリューション部門
電力IT基盤部 電力IT基盤第1チーム
信谷 真由 氏
2019年末、IT戦略室は新たにVDI環境を整備し、Microsoft 365とBoxを関西電力・関西電力送配電の全社員へ提供する方針を固めま した。最大で34,000ユーザーを収容する超大規模VDI環境へのチャレンジです。
ソリューション
関西電力のVDI基盤構築に際して掲げられた基本方針は、『ユーザーの高い生産性を支える高性能なVDI環境の実現』です。慎重な検討を経て採用されたのは、Nutanix Cloud Platformでした。「最大で34,000ユーザーを収容するVDI基盤を構成するシステム製品には、性能と信頼性・可用性はもちろん、シンプルで運用しやすく、拡張やアップデートを無停止で行えることを求めました。Nutanixはすべての要件を満たすとともに、優れたコスト削減効果も採用の決め手となりました」とオプテージ ソリューション事業推進本部 ICTソリューション部門 電力IT基盤部 電力IT基盤第1チームの安藤一樹氏は語ります。
安藤氏はさらに「最大34,000ユーザーを収容するVDI基盤は、外部ストレージが不要なHCI製品で構成しても、物理ノードは600台以上に達します。今回の評価で、Nutanix Cloud Platform最大のメリットは、こうした大規模な環境を安定的かつ安全に運用できることだと実感しました」と述べています。
関西電力のVDI基盤では、20台のクラスターを構成し、これを基本単位(Pod)として柔軟に拡張可能なアーキテクチャーを採用しています。サービスの継続性・システムの可用性を重視したインフラ設計が採用されました。Nutanixクラスターはディスクやノード単位の障害でもサービス継続が可能ですが、何らかの重篤な問題が発生した場合でも、ビジネスへの影響を最小限に抑えられます。
導入効果
IT戦略室のミッションは、デジタルワークスタイルを支えるIT環境を整備し、全社レベルでDXを加速させてビジネスのスピードと競争力を高め、関西電力が掲げる中期経営計画の実現に寄与することにあります。川合氏は「特に、VDIの活用を開始した部門からワークスタイルが変化しつつあります。オンライン会議が進むにつれ、場所や時間を選ばず柔軟な情報共有と意思決定が可能になりました。業務のスピードは確実に高められていると思います。コロナ禍の影響でリモートワークや在宅勤務にシフトした従業員も、柔軟な働き方を選びながら生産性を向上させています」と効果を語ります。
「自動アップデート機能により運用性も大幅に改善しました。この機能によりサーバーが数百台ある環境の運用の手間の削減、工数の削減に繋がっています」とオプテージ ソリューション事業推進本部 ICTソリューション部門 電力IT基盤部 電力IT基盤第1チームの信谷 真由氏は話します。
さらに、信谷氏は「ディスク処理が速く、仮想マシン複製時にvCenterでは1台当たり10~20分ぐらいかかるところが、Nutanixでは数秒で完了しました。スナップショットの使いやすさも大きな強みだと思います。vCenterでは、仮想ディスクファイルの増大や破損のリスクなど、スナップショットのトラブルがやや気になります。Nutanixでは、ストレージレベルでコピーを実行するため、スナップショットをバックアップデータとして気軽に取得できます」と述べています。
今後の展開
「プロジェクトの初期段階でNutanixのコンサルティングサービスにより、適切な技術支援を受けられたので、設計・構築をスムーズに運ぶことができました。私たちは、持続的かつ安定的な電力供給という社会的使命を担っており、大規模災害のような事象に際しては迅速な復旧対応が求められます。新たに構築したVDIシステムは、そうした状況下でも私たちの業務を支えていく役割を担ってもらわなければなりません。次のステージでは、DR対策としてのクラウド活用を検討していきたいと考えています」と川合氏は結びました。