業界
ゲーム・出版業界
課題
- 東京からの遠隔オペレーション
- 3層構成の拡張性の低さと運用負荷
- クラウド上でのデータ保管とコストに対する懸念
ソリューション
Nutanix Cloud Platform
- Nutanix AHV
- Nutanix Move
- Nutanix Prism
Nutanix コンサルティングサービス
アプリケーション
- Active Directoryドメインコントローラー
- チャットサーバ―等のコミュニケーションツール
- バージョン管理システム
導入によるビジネスのメリット
- コンサルティングチームの手厚いサポートによるシームレスな移行
- 遠隔地からの運営管理と保守の簡素化
- 従来の 1割以下の作業負荷での安定運用により精神的な負担を軽減
- 使いやすい UI でトラブルシューティングと教育コストを軽減
- 運用コストの削減
東京を中心としたグローバルな運用体制にて、遠隔でもシンプルかつ安定した運用が可能になっているのは Nutanix の基盤が下支えしてくれているからこそです
– 管理統括本部 管理本部 ITサービス企画部 部長 磯部 剛 氏
これまでアップデートの際には、ユーザーに告知を行ったうえでシンガポールまで赴き、システムを止めて作業せざるを得ませんでした。今は無停止のまま告知もせず、自宅からでもワンクリックのみです。他の作業をしながら終わったら確認するだけで済み、アップデートも容易です
– 管理統括本部 管理本部 ITサービス企画部 ITサービス課 ストレージマスター 石田 和之 氏
課題
「Innovation through Creativity」をスローガンに、エンターテインメントコンテンツの開発及び運用を行っている株式会社バンダイナムコスタジオ。シンガポールやマレーシアといった海外拠点を展開するなど、世界中でゲーム開発及び運用を行う環境を整備しています。
東京からの遠隔オペレーション
バンダイナムコスタジオのシンガポール拠点では、設立当初はオフィス内にサーバーを設置してコミュニケーション環境等の提供を行っていました。その後、アジアにおけるハブ拠点としての機能拡張を目的に、新たにデータセンターに基盤の再構築を計画する際、「IT統制の観点から東京を中心としたグローバルな運用体制を維持すべく、遠隔からでも負担なくコントロールできる、管理しやすい基盤を求めていました」と管理統括本部 管理本部 ITサービス企画部 部長 磯部 剛氏は振り返ります。
3層構成の拡張性の低さと運用負荷
シンガポール拠点の業務内容と規模が拡大しクリエイターも増加するなかで、3層構成ではその都度東京側で新たな環境を用意する必要があるなど、拡大スピードに合わせた効率的な環境拡張が困難であると感じていました。「投資となるCAPEXよりも運用という意味でOPEXを重視することが必要だったこともあり、3層構成のような環境では運用面で課題が多いと考えていました」と同部 IT サービス課 石田 和之氏は語ります。
クラウド上でのデータ保管とコストに対する懸念
パブリックラウドサービスの利用も検討したものの、外部にデータを保管することや、クラウド上に巨大なファイルサーバへのアクセスが頻繁に発生するようなデータフローを置くことに対する顧客からの不安の声もあったため、「処理速度や通信料なども考慮したうえで、今回の業務で利用するにはオンプレミスが最適だと判断しました」と磯部氏は語ります。
ソリューション
「当時注目されていた、仮想データセンターをソフトウェアにて構築する Software-Defined Data Center(SDDC)をいち早く実現したいと考えていました。その SDDC 環境を実現する際に必要な機能要件を満たしていたのが Nutanix でした」と石田氏は語ります。簡単にスケールアウトできる Nutanix によるシンプルな構造が高く評価されました。
そこで、当初は Nutanix 上で動かすハイパーバイザーには VMware ESXi を採用し、コミュニケーションツールを中心に運用を開始しました。しかし、パフォーマンスの課題に直面し、VMware での SDDC 環境構築には至りませんでした。そのため、運用して 3 年ほど経過した 2019 年には、仮想環境にあったファイアウォールを物理的なアプライアンスに切り替えました。そのタイミングで、VMware ESXi の環境を Nutanix AHV に移行することを決定しました。「自社で Nutanix AHV を用いたテスト環境を整備していたこともあり、安定して利用できる実績が社内にあったことが大きかったです。ハイパーバイザーにコストを払い続けることに対してためらいもありました」と石田氏は語ります。
また、Nutanix AHV で動作する魅力的なソリューションが次々とリリースされていたのを目の当たりにし、新たな機能も利用したいという意欲が芽生えました。なかでも石田氏が意識していたのが Nutanix Calm でした。「 Nutanix Calm を使ってカタログ化しておき、自動的に払い出しできるような環境を作りたいという思いが強かったです」と石田氏は語ります。
現在は、本番環境としてNXシリーズが稼働しており、Nutanix AHV の上でチャットをはじめとしたコミュニケーションツールや Active Directory ドメインコントローラー、製品開発の中核となるバージョン管理システムなど、さまざまなワークロードが稼働しています。
導入効果
コンサルティングチームの手厚いサポートによるシームレスな移行
Nutanix Consulting のサポートにより、移行ソリューション「Nutanix Move」を活用して、わずか1週間ほどでトラブルなく Nutanix AHV への移行を完了させました。移行環境の調査からワークショップの開催、移行計画の立案、事前移行テスト、バックアッププランの検討、現地での移行作業まで含めて、Nutanix の全面的な移行支援を受けたことで、スムーズな移行を実現できました。「移行に際しては、精神的なプレッシャーもありましたが、コンサルティングチームによるオーダーメイドな移行支援のおかげで安心できました。ここまで手厚く支援いただけたのは初めてです」と石田氏は評価します。
遠隔地からの運営管理と保守の簡素化
「これまでアップデートの際には、ユーザー告知を行ったうえでシンガポールまで赴き、システムを止めて作業せざるを得ませんでした。今は無停止のまま告知もせず、自宅からでもワンクリックのみです。他の作業をしながら終わったら確認するだけで済み、アップデートも容易です」と石田氏は評価します
「基本的にリモートで作業が完結する、“現場にエンジニアが来ない”保守はこれまで経験がありません。人が来れば立ち合いも必要ですし、現場に来る保守員のスキルに依存してしまう面もありました。今は画面を立ち上げておくだけで、リモート側でしっかり対応していただけます」と Nutanix の従来とは異なるサポート体制に、石田氏も驚いています。
従来の 1割以下の作業負荷での安定運用により精神的な負担を軽減
Nutanix 環境への移行後、安定稼働を続けており、障害は一度も発生していない状況で、従来の1割も満たない労力で安定した運用が継続できています。「精神的な負担をかけずに運用できるのはとても大きい。何かあればビジネスへの影響が大きいというプレッシャーの中で働くのは本当につらいもの。特に東京から海外を制御するという意味でも、精神的な負担なく運用できるようになったのは大きな効果です」と磯部氏は述べています。
使いやすい UI でトラブルシューティングと教育コストを軽減
「他社の管理画面での運用は、ちょっとした設定変更で予期せぬトラブルを生んでしまったこともありました。今では Nutanix Prism によってオペレーションがシンプルになり、手間がかからず安定した運用が可能になっています。また細かい手順書を作成せずとも直感的で分かりやすい1つの管理画面から操作するだけのため、メンバーへの教育も容易です」と石田氏は評価します。
運用コストの削減
AHV に移行したことで、従来必要だったハイパーバイザーのコストが不要になるほか、Nutanix Prism での運用に統合したことで運用コストの軽減にも効果があると石田氏は語ります。
今後の展開
今後については、コンテナ環境の運用管理を可能にする Kubernetes ソリューション「Nutanix Karbon」や働き方改革に向けた検証としての DaaS (Desktop as a Service)「Nutanix Xi Frame」など、新たなソリューションの導入を検討しています。
また、シンガポールに比べて自然災害のリスクが高い日本に、同様の DR 環境が構築できる「Nutanix Xi Leap」を検討する可能性も示唆しています。
「Nutanix を選んだことで、ハイブリットクラウドへの展開が容易で、機能拡張も進んでいくのはとてもありがたいです」と石田氏は語ります。「グローバルでマネージメントを強化していく方針のため、コスト負担を出来るだけ軽減すると同時にガバナンスの効いた環境を構築できるかは今後ますます重要になります。今後も Nutanix に期待しています」と磯部氏と締めくくります。