Oracleと聞けば、データベースを思い浮かべることでしょう。Oracle® Database は、1979年に登場して以来、最先端を行くリレーショナルデータベースの1つとして利用され続けており、現在も世界中の数100万におよぶエンタープライズアプリケーションを支えています。2022年10月にラスベガスで開催されたOracle CloudWorldでは、数千名ものデータベース管理者や開発者が一堂に会しましたが、そこで話題に上ったのが「データベースのパッチ適用」です。しかし、決してこれはパッチ適用が誰もが好きな作業だからではありません!
実際にオペレーティングシステムやデータベースサーバーのパッチを複数のデータベースに適用しようとした経験があれば、そのプロセスがいかに手間のかかる、エラーが発生しやすいものであるかご存知でしょう。パッチの適用にあたっては、データベース管理者やネットワーク管理者、システム管理者など、様々な関係者のグループ間で長時間にわたる調整が必要となります。このプロセスは複雑で、データベースエンジンによって異なり、パッチを正しい順序で適用しなければデータベースの可用性に悪影響を及ぼす恐れさえあります。これは、特にOracle RAC など、高可用性のクラスターデータベースの場合に重要となります。その一方で、データベースのパッチ適用に費やす全ての時間が、データベースパフォーマンスの最適化や新しいアプリケーション機能の追加、あるいは、より付加価値の高いタスクの実行に向けられているとは限りません。
このため、データベースのパッチ適用が頻繁かつ手短に行われるのは、当然のことと言えます。しかし、データベースへのパッチ適用を遅らせたり見落としてしまうと、セキュリティに重大な影響を与えてしまう可能性があります。最近の調査では、世界中でパッチが適用されていないオンプレミスのデータベースが46%にも上り、既知の脆弱性を含んでいることが明らかになっています。これにより、データベースやその管理下にあるデータが、侵入やランサムウェア攻撃などのリスクに晒される結果となります。端的に言えば、対応プロセスにいかに時間がかかろうとも、データベースへのパッチ適用を見逃してはならないと言うことです。
こうした状況こそが、Nutanix Database Service™ (NDB、以前の Nutanix Era) の最新リリース機能の一部として、Oracle Database、PostgreSQL® および MongoDB® 向けの新しいデータベースパッチ適用自動化機能を発表する理由なのです。NDBは、著名なデータベースエンジン向けで唯一の存在となるハイブリッドマルチクラウドDatabase-as-a-Serviceです。NDBでは、標準化したゴールドイメージをソフトウェアプロファイルとして定義し、新しいデータベースパッチを「バージョン」として、ソフトウェアプロファイルに適用することができます。新しいNDB 2.5のリリースによって、事前に決められた保守作業時間の中で、オペレーティングシステムやデータベースに対するパッチ適用のスケジューリングや自動化が可能となります。お客様は状況に応じて、オペレーティングシステムまたはデータベースサーバー、あるいはその両方に対するパッチ適用を選択することができます。またこの機能は、新しいデータベース、あるいは既存のデータベースのいずれについても適用が可能です。
これらの機能は、データベース管理をシンプル化し、クラウド全体におけるソフトウェア開発の加速化を支援するという、Nutanixのミッションをさらに促進するものとなります。そして、これらの新しい機能によって、データベースのパッチ適用に必要な時間や運用の負荷を大幅に削減することができます。これまで数日を要し、複数回にまたがるメンテナンス期間が必要だったパッチの適用作業を、わずか数分でスケジュールし、1回のメンテナンス時間帯内のわずか数時間で自動的に実行できるようになります。この結果的、よりタイムリーで一貫性のあるデータベースパッチの適用が可能となり、脆弱性を低減し、データベース管理者やIT担当者の時間を解放することで、より戦略的で影響力のある業務に従事できるようになると共に、データベースに依存する形で発生する、アプリケーション開発者の作業中断時間の短縮を図ることもできます。
もちろん、OSや データベースに対するパッチ適用の一部や全ての自動化を望まないお客様については、新しいパッチが利用できるようになったことを通知し、ソフトウェアプロファイル経由でオンデマンドの形でパッチを適用して頂くこともできます。
メンテナンス期間におけるパッチの自動化に加え、NDB 2.5 では Oracle RAC から RAC へのクローン機能も提供されます。これは、Oracle CloudWorldの参加者の特別な関心を引くことになりました。現在、Oracle RACのライセンスを稼動させているNDBのお客様は、RACベースのデータベースのクローンを新しいRAC環境に素早く、容易にスピンアップすることができます。これは、Oracle RACに24時間365日の可用性や水平方向の拡張性を求めるお客様にとって、特に重要なものとなります。
さらにNDB 2.5では、次のような新しい機能も提供されます:
- Nutanix Objects for Log Files を使って、3つのNutanix クラスター全体で最大 1,000 のデータベースのログを、15分の頻度でバックアップすることができます
- PostgreSQL、MySQLおよびMongoDBをサポートするオペレーティングシステムが、Debian 9、10 およびUbuntu 20.04に拡張されました。
- MSSQL Failover Cluster Instances (FCI) および FCI Database のプロビジョニングをサポートします。
お客様は、NDB コンソールから直接 NDB 2.5にアップグレードすることができます。Nutanix Database Serviceによっていかにデータベース管理をシンプル化し、クラウド横断的なソフトウェア開発を加速化できるか、その詳細については nutanix.com/jp/products/database-serviceをご覧ください。またTest Driveを使って無料でNDB をお試し頂くこともできます。